軽自動車の黒ナンバー化と任意保険【5ナンバーのまま】

フードデリバリーや軽貨物配送の副業・専業を考えている方必見!2022年10月から規制緩和により、普通の軽自動車を構造変更なしで5ナンバーのまま「黒ナンバー」にできるようになりました。この記事では、黒ナンバー化のメリットやおすすめ車種、そして最も気になる任意保険の扱いまで徹底解説します。

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5ナンバー黒ナンバーとは?そのメリット

黒ナンバーとは事業用自動車(営業用)に与えられるナンバープレートです。従来は4ナンバー(軽貨物)のみでしたが、2022年10月27日から普通の軽自動車(5ナンバー)でも黒ナンバー化が可能になりました。

主なメリット

メリット 詳細
営業行為が合法に Uber Eats、出前館などの配達業務が正式に可能に
経費計上が可能 ガソリン代、車検費用、修理費などを経費として計上可能
駐車規制の緩和 荷さばき駐車が可能な場所が増える
高速道路料金の割引 ETCコーポレートカードでの割引制度が利用可能

黒ナンバー取得の具体的手順

黒ナンバー取得は主に2つのステップで完了します。

STEP1:運輸支局での手続き

  1. 最寄りの運輸支局で「貨物軽自動車運送事業」の届出を行います
  2. 必要書類:
    • 貨物軽自動車運送事業経営届出書
    • 運賃料金設定届出書
    • 運賃料金表
    • 車検証のコピー

STEP2:軽自動車検査協会での手続き

  1. 運輸支局で発行された「事業用自動車連絡書」を持って構造変更の車検を受けます
  2. 必要書類と費用:
    • 事業用自動車連絡書
    • 自賠責保険証(原本)
    • 車検証
    • 住民票
    • 自賠責保険(追加分)
    • 重量税(約5,200円)
    • 検査手数料(約1,400円)

黒ナンバーにおすすめの軽自動車

フードデリバリーや宅配業務に最適な車種をご紹介します。

1. スズキ ワゴンR(特にMH34S型)

メリット

  • マイルドハイブリッドで市街地燃費が良い(都市部で16-18km/L)
  • 広大な車内空間で休憩時にシートを倒して仮眠可能
  • 最小回転半径4.4mで小回りも十分

おすすめの理由: フードデリバリー業務では頻繁な発進停止があるため、ハイブリッドシステムの恩恵を最大限に受けられます。また、配達の合間の休憩時に体を伸ばせる空間は長時間の稼働には重要なポイントです。

2. スズキ アルト L

メリット

  • 軽自動車トップクラスの燃費効率(カタログ値34km/L)
  • 軽量車体による俊敏な加速
  • 維持費の安さ

おすすめの理由: 純粋なコスト効率を考えるならアルトLは最強です。燃費の良さは月間のガソリン代を大きく節約でき、特に都市部での配達に最適です。

3. ホンダ N-VAN

メリット

  • 広い荷室スペース(宅配業務も視野に入れる方に最適)
  • 乗用車感覚の運転のしやすさ
  • 優れた静粛性と乗り心地

おすすめの理由: フードデリバリーに加えてAmazonフレックスなどの宅配業務も行いたい方に最適です。荷室の使い勝手が良く、長時間運転の疲労も軽減されます。

その他のおすすめ車種

  • ダイハツ タント:広い室内空間と低燃費を両立
  • スズキ スペーシア:ワゴンRと同様の使い勝手の良さ
  • スズキ ハスラー:個性的なデザインで配達以外の楽しみも
  • ダイハツ ミライース:アルトに次ぐ燃費性能
基本的に軽自動車であれば全車種黒ナンバー化できます。ダイハツコペンなどオープンカーでも可能です。

黒ナンバー任意保険の基礎知識

黒ナンバー化すると任意保険にも影響があります。特に重要なのは「用途区分」の変更です。

用途区分による保険料の違い

用途区分 保険料(相対的) 特徴
レジャー 最も安い 個人的な用途のみ
通勤・通学 中間 定期的な通勤や通学に使用
営業用(事業用) 最も高い 配達や運送など営業活動に使用

重要な注意点

以下のような不備があると、万が一の事故の際、自動車の任意保険が適用されません。

  • 黒ナンバーで営業するなら必ず「事業用」として申告する
  • 月15日以上の業務使用は「レジャー用途」では認められない
申告不備があると事故時に保険が適用されないリスクがあるので必ず黒ナンバーにして任意保険は事業用として申告しておきましょう。

黒ナンバー任意保険の料金相場

事業用の任意保険料は高めですが、車種や等級によって大きく変わります。

4ナンバー(軽四輪貨物)の相場例

6S等級(新規)の場合:

  • 年間保険料:約16.4万円
  • 月払い:約1.4万円

5ナンバー(軽四輪乗用)の相場例

6S等級(新規)の場合:

  • 年間保険料:約8.5万円
  • 月払い:約7,500円
ポイント: 5ナンバーの黒ナンバーは4ナンバーより保険料が安い傾向にあります。20等級の場合、月額6,000円台まで下がることもあります。そのため任意保険の等級があるなら引き継ぐことで保険料を安く抑えることが出来ます。

黒ナンバーの任意保険を扱う保険会社一覧

黒ナンバー(事業用)の任意保険を扱っている主な保険会社を紹介します。各社によってサービス内容や保険料が異なるため、比較検討が重要です。

保険会社 事業用対応 特徴
損保ジャパン 大手で安心、サポート体制充実、事業者向けプランが豊富
あいおいニッセイ同和 ディーラーとの連携良好、事故対応の評判が高い
東京海上日動 老舗で安心感、24時間事故対応が充実
三井住友海上 大手で安定感あり、法人向けサービスが充実
AIG損害保険 外資系、独自のサービスが充実
楽天損害保険 オンライン手続き可能、比較的手頃な保険料設定
日新火災 中堅だが事業用対応可能、地域密着型サポート
SBI損害保険 一部の事業用のみ対応
イーデザイン損保 限定的な事業用のみ対応
アクサダイレクト × 原則として事業用には非対応
ソニー損保 × 原則として事業用には非対応
その他ダイレクト型保険 × 基本的に非対応(JA共済なども非対応)

※ ◎:対応が充実 ○:対応あり △:条件付き対応 ×:原則非対応

重要ポイント

  • ネット系の格安保険会社(ダイレクト型)のほとんどは事業用に対応していません
  • 黒ナンバー対応の保険会社でも、等級引き継ぎを知らないスタッフがいることも
  • 下記の一括見積もりサービスを利用すると、複数の対応保険会社から一度に見積もりを取得できます

 

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保険会社によっては、必要な条件を満たしていても等級を引き継げないケースもあります。等級の引き継ぎを検討している方は、黒ナンバー車での加入を予定している保険会社に一度問い合わせてみることをおすすめします。

任意保険を安くする方法

黒ナンバーの任意保険は通常、6等級からスタートするため高めです。月額16,000円程度~となっています。

しかし、以下の方法で料金を抑えることができます。

1. 等級を引き継ぐ

任意保険の等級引き継ぎは、黒ナンバー車の保険料を大幅に抑える最も効果的な方法です。等級が上がると保険料の割引率が大きくなり、6等級と20等級では年間で7万円以上の差が出ることもあります。

等級引き継ぎの条件

  • 契約する配送車と契約者が同一であること
  • 自家用保険と事業用保険の保険会社が同一であること
  • 黒ナンバーに対応している保険会社であること(ネット系保険会社では対応していないケースが多い)

既存の軽自動車を黒ナンバー化する場合の手順

  1. もともと自家用で軽自動車がある
  2. 自家用で任意保険に加入している
  3. 黒ナンバーに変更
  4. 保険会社に「ナンバー変更の連絡」
  5. 「用途変更手続き」を行う
  6. ノンフリート等級をそのまま引き継いで契約継続

新車購入で黒ナンバーにする場合の手順

  1. 車両は必ず黄色ナンバー(自家用)で納車してもらう(黒ナンバーで納車すると等級引き継ぎ不可)
  2. 事業用保険を扱う保険会社で自家用として保険加入(等級引き継ぎ)
  3. 黒ナンバー取得の手続き
  4. 取得後、保険会社に連絡して「自家用→事業用」へ変更
※事業用保険を扱う保険会社(損保ジャパンなど)で自家用として先に加入しておく必要があります。

保険会社を変更する場合の手順

  1. 現在の自家用車の任意保険を解約して中断証明書を発行(最大10年間有効)
  2. 新車を黄色ナンバーで納車
  3. 黒ナンバー対応の保険会社で中断証明書を使って任意保険に加入
  4. 黒ナンバーを取得
  5. 任意保険の用途を事業用に変更
注意点:保険会社や代理店(車販売店)のスタッフの中には等級引き継ぎの制度を知らない方もいます。対応してもらえない場合は、下記の一括保険見積もりに問い合わせてみることをおすすめします。

2. 保険会社を比較する

黒ナンバーの任意保険も加入する保険会社によっては金額が異なります。黒ナンバーに対応している保険会社は限られますが、各社で保険料に差があります。一括見積もりサービスを利用して比較することで、大幅な節約が可能です。

黒ナンバーの任意保険見積もり

このサービスを使えば、複数の保険会社から一度に見積もりを取得でき、最適な保険を選ぶことができます。法人向けと表示されていますが、個人事業主の黒ナンバーにも対応しています。

【裏技】任意保険料を半額以下にする方法

黒ナンバーの任意保険料を劇的に安くする「裏技」をご紹介します。6等級の月額15,000円から20等級の月額6,000円台まで下げられれば、年間で約10万円もの節約になります!

等級引き継ぎの手順(現在保険に加入している場合)

基本的な流れ

  1. 現在加入中の保険会社が黒ナンバー対応なら、そのまま用途変更
  2. 対応していない場合は、中断証明書を発行して新しい保険会社へ

既存車両を黒ナンバーにする場合(同じ保険会社で継続)

  1. 黒ナンバーに変更する
  2. 保険会社に「ナンバー変更の連絡」をする
  3. 「用途変更手続き」を行う(自家用から事業用へ)
  4. ノンフリート等級をそのまま引き継いだ状態で契約継続

新車購入で黒ナンバーにする場合

  1. 車両は必ず黄色ナンバー(自家用)で納車してもらう(重要!)
  2. 黒ナンバー対応の保険会社で自家用として保険加入(等級引き継ぎ)
  3. 黒ナンバー取得のため運輸支局と軽自動車検査協会で手続き
  4. 黒ナンバー取得後、保険会社に連絡して「自家用→事業用」へ変更

保険会社を変更する場合

  1. 現在の自家用車の任意保険を解約して中断証明書を発行(最大10年間有効)
  2. 新車を黄色ナンバーで納車
  3. 黒ナンバー対応の保険会社で黄色ナンバー用途で加入(等級引き継ぎ)
  4. 黒ナンバーを取得
  5. 保険の用途を「事業用」に変更

等級引き継ぎの重要ポイント

  • 絶対に黒ナンバーで納車しない:最初から黒ナンバーだと等級引き継ぎ不可
  • 最初は「レジャー・通勤」用途で加入:新規加入時に「事業用」で申し込むと等級引き継ぎできない
  • 黒ナンバーの引き継ぎを知らないスタッフも多い:引き継ぎできないと言われたら、別の店舗や代理店に問い合わせを
  • 等級の引き継ぎには条件がある
    • 契約する車両と契約者が同一であること
    • 黒ナンバー対応の保険会社であること

その他の保険料節約方法

  • 年払いにする:月払いより5%ほど安くなる(年間7,000〜9,000円の節約)
  • 事故を起こさない:等級が下がると翌年も含めて大幅に保険料アップ
  • 補償内容を必要最低限に見直す:不要な特約を外す
ここだけの話
黒ナンバーの任意保険は損保ジャパンが一番安いです。初めて黒ナンバーにする人は損保ジャパンに加入するには代理店を探す必要があります。保険会社の代理店を探すのはかなり苦労します。さらに安く見積もってくれる代理店を探すのは至難の業です。そこで、こちらの一括見積もりに申し込めば、損保ジャパンを含めて最安の保険会社の申込みが可能になるのでおすすめです。見積もり無料です。黒ナンバーの任意保険一括見積もり
法人向けと書いてますが、個人事業主の黒ナンバーでも普通に申込可能です。取扱保険も多いです。
もし、等級が最大の20等級でしたら、この方法で、任意保険の保険料を6Sの月額15,000円から6,000円台にまで下げることが可能です。年間にすると約10万円の節約になります!

よくある質問

Q: 黒ナンバーの自賠責保険料はいくらですか?
A: 24ヶ月(2年)の自賠責保険料は、約31,660円です(2025年時点)。自家用と比べるとやや高めです。

Q: 黒ナンバーの任意保険に即日加入できますか?
A: 即日加入できない会社が多いです。これは不正な保険金請求を防ぐためです。事故を起こした当日に加入して保険金を請求するようなケースを防止する目的があります。

Q: 黒ナンバー車の任意保険の相場はいくらですか?
A: 6等級(新規加入)の場合で月額10,000~15,000円程度、20等級の場合で月額6,000円~8,000円程度です。等級によって年間10万円近い差が出ることもあります。

Q: 軽貨物ドライバーは任意保険に加入する必要がありますか?
A: 法律上の義務ではありませんが、走行距離が長く事故リスクが高いこと、また多くの運送会社やマッチングサービスが加入を必須条件としていることから、実質的には必須と言えます。

Q: 通販型自動車保険(ネット系)で黒ナンバーに対応しているところはありますか?
A: 基本的に通販型自動車保険では黒ナンバー(事業用)の取り扱いがありません。代理店型の保険会社を選ぶ必要があります。

Q: 黒ナンバーの任意保険に等級を引き継ぐ際の注意点は?
A: ①必ず黄色ナンバーで納車して「レジャー用途」で加入すること、②黒ナンバー変更後に用途変更すること、③等級引き継ぎを知らないスタッフも多いので複数の店舗に問い合わせることが重要です。

Q: JA共済で黒ナンバーの保険に加入できますか?
A: JA共済では現在、基本的に黒ナンバー(事業用)の任意保険は取り扱っていません。かつては農業従事者(正会員)のみ加入可能でしたが、現在は基本的に対応していないようです。

Q: 5ナンバーと4ナンバーの黒ナンバーはどちらがおすすめですか?
A: フードデリバリー専業なら燃費と保険料の面で5ナンバー、宅配業務も行うなら積載量の面で4ナンバーがおすすめです。5ナンバーの任意保険料は4ナンバーより安い傾向にあります。

まとめ

軽自動車の黒ナンバー化は、フードデリバリーや軽貨物配送を始める方にとって大きなチャンスです。特に2022年10月の制度改正により、5ナンバーのまま黒ナンバー化が可能になったことで、手続きが簡素化されました。

任意保険については、正しい手順で等級を引き継ぐことで月額保険料を大幅に抑えることができます。最も重要なポイントは:

  1. 黄色ナンバーで納車してもらう
  2. 黒ナンバー対応の保険会社で「レジャー用途」として加入
  3. 黒ナンバー取得後に「事業用」へ用途変更する

この方法で、任意保険料を半額以下に抑えることも可能です。

最適な保険選びには、複数の保険会社から見積もりを取って比較することをおすすめします。

 

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