マークダウン記法で書かれたテキストをWordPressでHTMLに変換する方法はいくつかあります。お使いのWordPressのエディタの種類によって、最適な方法が異なります。
現在WordPressの主要なエディタは以下の2つです。
- ブロックエディタ (Gutenberg): WordPress 5.0以降のデフォルトエディタです。
- クラシックエディタ: 以前のWordPressの標準エディタで、プラグインを使って利用している場合があります。
それぞれのケースと、その他の方法について説明します。
ブロックエディタ (Gutenberg) を使用している場合
ブロックエディタには、マークダウンを扱うための機能がいくつか備わっています。
マークダウン記法を直接入力・ペーストして自動変換
多くの基本的なマークダウン記法(見出し、リスト、引用など)は、新しい段落ブロックなどに直接入力したり、他のエディタからコピー&ペーストしたりすると、対応するブロックに自動的に変換されることがあります。
例: 行頭に #
と入力してスペースキーを押すと見出しブロックに、*
と入力してスペースキーを押すとリストブロックになります。
マークダウンで書かれたテキストをまとめてペーストした場合も、ある程度は自動でブロックに変換してくれます。
「マークダウン」ブロックを利用する (非推奨・現在はコアにない可能性)
以前は「マークダウン」という専用ブロックがありましたが、現在ではコア機能から削除されているか、他の方法に統合されている可能性があります。
もし利用可能なプラグインなどで追加されていれば、そのブロックにマークダウンを記述・ペーストすることでHTMLとして表示できます。
「カスタムHTML」ブロックを利用する (手動変換が必要)
まず、マークダウンで書かれたテキストを、外部のマークダウンエディタやオンラインの変換ツール(後述します)を使ってHTMLに変換します。
- WordPressのブロックエディタで、「+」アイコンをクリックしてブロックを追加します。
- 検索窓に「カスタムHTML」と入力し、「カスタムHTML」ブロックを選択します。
- 変換済みのHTMLコードを「カスタムHTML」ブロックに貼り付けます。
キーボードショートカットの活用
ブロックエディタ内では、一部のマークダウン記法に似たキーボードショートカットが利用できます。例えば、##
と入力してスペースを押すとH2見出しになります。これを活用するのも一つの手です。
クラシックエディタを使用している場合
クラシックエディタには、標準ではマークダウンを直接HTMLに変換する機能がありません。以下のいずれかの方法を利用します。
テキストエディタ(HTMLエディタ)モードでHTMLを直接貼り付け:
外部のマークダウンエディタやオンラインの変換ツール(後述します)を使って、マークダウンで書かれたテキストをHTMLに変換します。
WordPressのクラシックエディタの編集画面右上にある「テキスト」タブ(または「HTML」と表示されている場合もあります)をクリックして、テキストエディタモードに切り替えます。
変換済みのHTMLコードをテキストエディタに貼り付けます。
マークダウン対応プラグインを利用する:
WordPressには、マークダウンでの記述をサポートするプラグインがいくつかあります。これらのプラグインをインストールして有効化すると、エディタ内でマークダウン記法を使用できるようになります。
代表的なプラグイン:
Jetpack by WordPress.com: 多機能プラグインですが、マークダウンモジュールを有効化することで利用できます。
WP-Markdown (または類似のマークダウンプラグイン): マークダウン専用のプラグインも存在します。WordPressのプラグインディレクトリで「Markdown」と検索して、評価や更新状況の良いものを選んで試してみてください。
プラグインを使用する場合、設定や使い方については各プラグインの指示に従ってください。多くの場合、マークダウンで記述した内容が公開時に自動的にHTMLに変換されます。
外部ツールを使ってHTMLに変換してからWordPressに貼り付ける方法 (共通)
WordPressのエディタの種類に関わらず利用できる確実な方法です。
オンラインのマークダウンエディタ/コンバータを利用する:
ウェブ上には、マークダウンをHTMLにリアルタイムで変換してくれるツールがたくさんあります。
例:
Dillinger (https://dillinger.io/)
StackEdit (https://stackedit.io/)
Markdown Editor – Online (https://i6i6.co.jp/markdown/)
これらのサイトでマークダウンテキストを左側のペインに貼り付けると、右側のペインに変換されたHTMLが表示されます。そのHTMLをコピーします。
デスクトップのマークダウンエディタを利用する:
Typora, Visual Studio Code (拡張機能利用), Marked 2 (macOS) などのデスクトップアプリケーションには、マークダウンをHTMLとしてエクスポートしたり、HTMLコードをコピーしたりする機能があります。
変換したHTMLをWordPressに貼り付ける:
ブロックエディタの場合: 「カスタムHTML」ブロックにペーストします。
クラシックエディタの場合: 「テキスト」モード(HTMLモード)にペーストします。
おすすめの方法:
- ブロックエディタの場合: まずは直接ペーストしてみて、どこまで自動変換されるか確認するのが手軽です。複雑な構造や意図通りに変換されない場合は、外部ツールでHTMLに変換してから「カスタムHTML」ブロックに貼り付けるのが確実です。
- クラシックエディタの場合: 定期的にマークダウンで記事を書くのであれば、信頼できるマークダウンプラグインを導入するのが便利です。単発であれば、外部ツールでHTMLに変換して「テキスト」モードに貼り付けるのが簡単でしょう。
ご自身のWordPressの環境や使い方に合わせて、最適な方法を選んでみてください。